特養養護老人ホームとは?費用から入居申し込みのコツまで徹底解説




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『在宅での介護が限界、でも有料老人ホーム等を利用するだけの蓄えは無い』そんな場合、1番最初に検討する施設が特別養護老人ホームです。

特別養護老人ホームは介護保険サービスで利用出来る住居型介護施設です。

原則として要介護度が3以上の方が入居対象で、住居型の施設ではありますが、介護保険の自己負担分と生活費を合わせても月額7万~10万程度で利用する事が出来ます。

ただし現実問題として、全国の施設数約9000程度に対して、利用希望者数が圧倒的に上回っており、待機人数50万とも言われ、簡単に入所出来る施設ではありません。

そこで、今回は特別養護老人ホームのシステム、料金、そして入居するための方法を解説していきたいと思います。

特別養護老人ホームとはどういう施設なのか?

特別養護老人ホーム(特養)
施設区分
公的施設(介護保険施設)
入居期間
原則終身利用可能
医療体制
夜勤等の常駐体制は無し、医療負担が大きい場合入所が不可
対象者
要介護度3以上~ただし特別な理由等がある場合要介護度1~2の方も対象
地域規制
地域規制は無いが住民登録地区者優先
認知症
重度の認知症も対応
費用/入所費用
特に無し
費用/月額
介護保険サービスで1割or2割負担(込み込みで7万~13万/月)
看取り
対応している施設もある
人員体制
3対1。要介護者3人に対して職員1名
居室
多床、個室

特別養護老人ホーム(特養)は介護老人福祉施設ともよばれ、公的施設としての位置付けがあり、社会福祉法人や地方自治体が運営を行っている施設です。

施設の在り方としては古いので、建物がかなり傷んでいたり、個室が無いなど、時代にマッチしていない特養が今も地域にはありますが、生活全般の介護を受けることができ、食事の提供や生活リハビリ、レクリエーション・趣味活動などが行え、安心して生活できる場と言えるでしょう。

最近の特別養護老人ホームは、全個室型やユニット型の施設も多くなってきており、その分料金もやや高めとなっています。

特別養護老人ホーム入居の条件は?

有料老人ホームの場合、入居金が数百万円~から場合によっては数千万円。さらに月額も10万~30万が相場ですが、特別養護老人ホームの場合は入居金が0円で月額も10万程度。

という事で定住型の施設として入居希望者が1番多いのが特別養護老人ホームですが、誰でも入居出来るのかと言えばそうではなく入居に対しては条件が設けられています。

特別養護老人ホームの入居条件
要介護度
基本は要介護度3以上が対象
年齢
原則65歳以上
状態
日常生活を送るための施設の為、感染症や医療的ケアが濃厚に必要な方は入居することは出来ません。

入居の条件は、原則65歳以上の高齢者で、介護認定を既に受け「要介護度3以上」の方となりますが、要介護度3以上あれば、申し込みができるというだけで、すぐ入居できるかは別問題となります。

実際、入居するには市区町村などの各自治体に申し込みをする必要がありますが、医療度が高く入退院を繰り返す可能性が高い方や、現在すでに在宅以外で生活をしている方は、なかなか順番がまわって来ないという現状があります。

入居の申請を行った後、入所検討委員会での審査を受け、入所する必要性が高い方から優先的に入所できるようなシステムになっていますが、先着順というような簡単な形ではありません。

では、どのような方が優先的に入居できるのか?

  1. 独居で認知症のため、在宅生活に限界が来ている(過去に行方不明になった事がある等)
  2. ネグレクトや虐待があり、生命の危険性が高い
  3. 医療度は低くいが、介護度は高く、家族が介護できない
  4. 介護度は高いが低所得者のため、料金の高い施設には入所できず、食事もままならない状態である

実例として、過去に、私の担当していた方で、徘徊が目立つようになり警察にお世話になった方がいらっしゃいました。

何度も、自宅周辺を探しに行くことがあり、見つけられるうちはまだ許容範囲内ということで片付けられていましたが、事実として警察が出動した途端「即日入所」という形になったことがあります。

また、それ以外でもご家族からの虐待やネグレクトを受けている高齢者も、「生命の危機」というキーワードで数日以内に入所しました。

要は、緊急性があるか否かで大いに判断されるという訳です。

ですから待機されている方が沢山いるからと諦めてはいけません。自宅での介護等が限界に来ている場合。そういった介護者様の状態もしっかり考慮されるので、まずは相談してみましょう

特別養護老人ホームのメリットは?どんな人に入居をおすすめ?


医療度が低く、身体介護量が多い人は、特別養護老人ホームの入居申請をおすすめします。


また、他の施設と比べて料金も安く入居時に一時金を納入することもありませんので、建物の対するこだわりや個室の希望など無い方には、特におすすめしたい施設といえます。

病院受診をする際には、普通に医療保険を使えますので、介護老人保健施設などのような縛りがありません。

介護老人保健施設は、施設の中で簡単な医療行為が行えますので、体調不良時や検査を希望したい時に特養と同じような感覚で受診ができません。

そういう点からも、特養の方が良いのではないでしょうか。

さらに特養は基本「終の棲家」ですので、「最期の時まで」とお考えの方も安心して生活できます。

人との関わりやコミュニケーションを求める方は、人間関係でトラブルを引き起こす危険性はありますが、生活に刺激が生れ、楽しみが増えたという人も少なくありません。

施設行事を積極的に取り入れている施設は意外と多いので、自宅で何もできずに生活していた人は、特に楽しみができ、元気になられるのではないでしょうか。実際入所する前は乗り気でなかった方もいざ入所してからは楽しく生活しているケースも少なくありません。

特別養護老人ホームをおすすめしない方、デメリットとは?


医師や看護師の数が少なく、夜間に関していえば医療職は全くいませんので、医療依存度が高く不安感の強い方や医療的ケアを求める方は、入居すると体調を崩すことになりかねません。

また、それを知らずに申し込みトラブルになる可能性もありますので、双方(施設職員と利用者)でキチンと確認・合意が必要となります。

そして、集団生活が基本となりますので、人との関わりが苦手な方は、施設の規模(個室の有無・入所者総数)や1日のタイムスケジュールなども事前に確認しておいた方が良いです。

特養は、他の施設と比べると料金も安く、最期まで生活できるということから、人気がありどこの施設も待機者が100人前後いるという状況です。

何とかして今すぐ施設に入りたいと焦っている方に、いきなり特養入所をおすすめはしない理由としては、慌ててしまい自分には合わない特養を選択してしまう可能性があるからです。

まずは、すぐに入居できる介護老人保健施設や有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などの施設に入ってから、ゆっくりと色々な施設の情報を集め吟味してから決めて頂きたいのです。

最近は、医療行為も受けられ、介護も受けられるという施設が段々と増えて来ています。

特に民間が経営している施設は、他の施設との区別化を図るために独自のサービスを揃え、集客している所もありますので、「自由」や「こだわり」そして「医療」を求める方には、特養はおすすめしません。

特別養護老人ホームの居室につて、特別ユニット型、従来型個室、多床室

一言で特別養護老人ホームといっても居室タイプによって、生活環境、料金が大きく異なりますので、その部分を解説して行きます。

ユニット型個室

ユニット型とは、10部屋毎に区切られており、ロビー・ダイニング・キッチン・浴室・トイレを共有し共同生活を送り、ユニットごとに専任の施設職員が配置されています。

居室利用料は、1日につき1,970円です。

ユニット型準個室

基本ユニット型個室と考え方は同じですが、多床室を改装や分割して作られたという部分です。
施設によっては、完全な個室になっていないところもありますので、入居前に必ず確認することをおすすめします。

居室利用料は、1日につき1,640円です。

従来型個室とは?

従来型個室とは、一部屋に対して、一人で利用するタイプで、俗にいう「個室」です。
ユニット型の個室が登場したことで従来型個室と呼ぶようになりました。

しかし、個室といっても、トイレや洗面台、お風呂が設置されているかどうかは施設により違いがあります。

居室料金は1日につき、1,150円です。

多床室

一部屋を数名で利用するタイプで、大体は4人部屋です。
一人部屋は話し相手がいなくて、さみしいという方は、多床室を選ばれる方が多いですが、何といっても料金が安いので、人気が高いお部屋でもあります。

居室利用料は1日につき、840円です。

居室タイプについてのまとめ

居室のタイプにより、料金が違い居室利用料の他に、食費や介護保険料がプラスされて、一月の利用料を計算しますが、平均すると8~13万円程度です。(低所得者は6万円前後)

それであれば、ユニット型を選択している施設と従来型の施設の大きな違いは、どこにあるのかということですが、職員との関わりの部分ではないかと考えます。

ユニット型の施設は利用料金が高いだけあり、ユニット毎に専任の職員が配置され、利用者と職員の距離感が非常に近いのです。

ですから、小さな変化にも気づくことが可能となります。

その分、相性が合わなかった時には悲惨な状態になってしまうこともありますが、10名単位で管理しているユニット型と、もっと大きな数を施設全体で管理しているのとでは、違いが出て来て当たり前なのです

特別養護老人ホームの入居対策

特養は、入居申請を行ってもなかなか入居の順番が来ないということから、何か所も同時に申し込んでいる方もいらっしゃいます。

その結果、単純に特養の待機者が多いのですが、実際には「順番が来ましたよ」と連絡を入れても、すぐ入居する方は半数程度なのも事実です。

それは、なぜかと申しますと「いつ入居できるか分からないから、とりあえず申し込んでおこう」という方が非常に多いからです。

順番が来ても「まだまだ元気で、何とか在宅でいられそうだ」と言って、入居を先送りにする方もいらっしゃいますし、逆に「体調不良で入院中のため、特養に入れるレベルではない」という方もいます。

施設側としては、順番通りに入居を進めていきたいのですが、何年も前に申請されている方から「先送り」や「お断り」をされると、他の申請者についても身体状況や病態が変わっているのではないかと考えるのは当然ですし、それでは誰を優先すべきなのかという「ふりだし」に戻る場合もあります。

このように「ふりだし」に戻ったタイミングで、緊急的に入所した方が良い高齢者がいれば、100人待機者が居たとしても、100人抜きで入所する場合もあります。

ですから、申請後に施設見学を行って、気に入った施設があれば、「どうしても入居をしたい」アピールをしていくことを大事です。

施設側は、申請した時の情報しか持っていませんので、黙っていれば待機の順番が早まることはまずありません。

ご家族として行う大事なポイントを以下に述べていきます。

  1. 介護度が重くなった場合には、特養施設に必ず連絡を入れよう(介護度は優先順位を決める上でとても重要な要素です。介護度3からもし介護度4になった場合、20~30人位は飛び越すでしょう。)
  2. 主介護者が病気になった場合など、生活環境が変わった時には連絡を入れよう
  3. 認知症の進行や、徘徊などで家族での見守りが厳しくなった時には施設と担当ケアマネに連絡を入れよう。

上記のような変化があった時には、特養に連絡を入れておきます。

そうすると、優先順位が一気に上がる可能性がありますし、なんといっても「あなたの施設に入りたい」という気持ちが伝わります。

特養はいくら公的施設といっても、運営している人や現場で働いている人は生身の人間です。

出来れば、「自施設に入居したいと望んでいる人に入ってもらいたい」という気持ちがあるからです。

特別養護老人ホーム入居検討者に対してアドバイス

入居検討者の方に対するアドバイスとしましては、自分の身に置き換えて考えると理解しやすいかと思いますが、誰しもが正直な話「良い人柄」の方に出会いたいと思っています。ですから入居前希望の時点から職員と良い関係を築く事が大切です。

介護保険制度については、世間の方からは「分かりづらい」とか「よく知らない」といわれますが、色々なことを勉強しているご家族も一方にはたくさんいて、施設側としては「痛い所をついて来るな~」と思う場合も多くあります。

実際に、「転倒して骨折してしまった」場合、訴訟問題になることもあり、施設側が一生懸命介護を行っても「やり方が悪い」とか「キチンとみていたのか」と叩かれることも多いのです。

転倒は自宅に居ても起こり得る事故ですし、ご家族の方が24時間見ることができないから、施設に入居しているのに、実際に事故が起きると「お前たちはプロか」と怒鳴られたりします。

ですから、施設側は今後入居してくるご本人とご家族の方の人柄は良いのか?自分達のケアの限界を理解してくれるのか?という部分はとても大事な要素として見ています。

入居前であれば、怒鳴られても1度ですが、入居してしまえばずーっとその先怒鳴られ続けられるかもしれませんので、トラブルを起こしそうな臭いがする場合には「どんな理由」をつけてでも断るのが賢明ということになります。

「ちょっと気にいらない施設」は、申し込まないことが鉄則です。
「ちょっと気にいらない」は、のちのち「やっぱりダメだった」になる場合が多いからです。

自分も良い人でいたいのであれば、気に入った施設を探すことですし、施設探しをしている時にはできる限り妥協はしない、そして「ここだ」と思った施設があった時には、何かあっても「多少のことは目をつぶる」という精神と覚悟が必要だと考えます。

良い施設を選ぶポイントとは?

施設の古さや新しさだけにとらわれないようにしましょう。

大事なことは、そこで生活した時の「居心地の良さ」です。

そこで、入居申請後の施設見学の際には、以下のことをキチンと見てきましょう。

  1. 職員が笑顔で挨拶しているか?
  2. 利用している高齢者の顔つきは明るいか?
  3. 利用者の笑い声は聞こえるか?
  4. 施設内は清掃が行き届いているか?(古い新しいではなく、整理整頓がされているか等も)
  5. 施設に入った時、受付の職員は顔を上げて挨拶してくれるか?もしくは出迎えてくれるか?
  6. 相談員もしくはケアマネは、わかりやすく親切に説明してくれるか?(曖昧じゃないか?)

公的施設なので、料金設定はどこも同じです。

施設は普通に考えて古いよりも、新しい方が良いですが、それよりもやはりソフト面(人材)が良い方を選ばないと後で後悔します。

施設見学に行った際の、第1印象を大事に選択して頂きたいと考えます。

まとめ

今回、特別養護老人ホームについて、説明いたしましたが、参考になりましたでしょうか。

入居申請をしても「なかなか順番が来ない」といわれていますが、すでに施設などに入居しているよりは在宅生活を送っている方が入りやすいということ、施設職員の心情にはたらきかけることで、入居の順番が変わることがありますので、あきらめずに行動を起こしてみましょう。

あとは、「うるさい家族」「トラブルメーカー」などのレッテルを貼られないよう、言動と行動も大事となります。

以上、良い施設を選ぶポイントと、利用する側のわきまえ方や覚悟についてお話させて頂きました。




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