後見制度支援信託って何?仕組みからコスト(報酬)までを解説




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後見制度支援信託。馴染みのない言葉で何を指しているのか全くわからない人が殆どだと思いますが、簡単にまとめると以下のような背景からスタートした信託です。

後見制度支援信託がスタートした背景

国: 後見人を親族に任せると、横領、使い込みが後を絶たない。国としては出来ればしっかりとした専門家に後見人を任せたい(使い込み等不正の9割以上は親族後見人によるもの)

しかし専門家と言えども、見ず知らずの人に後見人を任せる事に抵抗がある親族も多い。

では、横領や使い込みを防ぎつつ、親族が後見人になれる方法はないか?

それならば、一時的に専門職後見人によって被後見人の資産を整理し現金化し、当面の支払等に必要なお金以外を全て銀行に預け、そのお金は家庭裁判所の許可が下りない限り下ろせないようにしよう。

その後で専門後見人から、親族の後見人にバトンタッチすれば、横領や使い込みもの心配無く親族が後見人になる事出来るはず。

そのようは考えの元に生まれたのが後見制度支援信託です

出典 後見制度支援信託の利用状況等について – 裁判所

2012年にスタートした際は利用件数98件でしたが年々件数が増え2015年には9965件の利用件数が確認されており、年々増加傾向です。

図解、後見制度支援信託のしくみ

ちょっと分かりにくいので図にしてみました。

簡単な話が、今ある財産を全て現金化して必要なお金以外は全部銀行に預けてしまいます。

そして後見人のために必要なお金がある場合は裁判所に報告し判断を仰ぎます。裁判所が認めた場合には銀行に連絡してお金を下ろせるようにします。

裁判所に連絡してからでないとお金が下ろせないので横領等が難しくなるのです。

後見制度支援信託が必要になる場合

先ほど年々後見制度支援信託の利用者が増えているというお話をしましたが、基本的には親族が自ら後見制度支援信託を希望するケースは稀です。

なぜなら親族後見人は親族の総意でなければ選ばれないというのが基本ですからそもそも、後見制度支援信託で財産を守ら無ければ不安を抱くような親族後見人はまず選択しないはずです。

そして詳細は後掲しますが後見制度支援信託利用は数十万というコストも発生します。

では何故後見制度支援信託が活用されるのか?というと裁判所が何らかの理由によって親族の後見人が相応しく無いと判断した場合、後見制度支援信託を利用する事を条件に親族後見人を認めるケースがあるためです。

後見人になりたい。でも国が認めてくれない後見制度支援信託とはそんな場合に利用される信託です。

親族が後見人に相応しくないと判断されるケース

事務能力が低い、金銭管理に問題を感じる、管理しなければならない財産が多い等の理由があります。詳しくは以下の記事で解説しています。

後見制度支援信託の手続きの流れ

第1段階 家庭裁判所編
1.後見開始の申立て

2.審理スタート。裁判所が後見支援制度の必要性を判断。

3.親族が同意。親族、又は裁判所が専門後見人を選任(正確に言えば裁判所にしか最終決定権はないが専門業種の方で希望を出せばほぼ通る、弁護士等)

第2段階 専門職後見人編

4.専門職後見人が後見制度支援信託の適否について検討

5.家庭裁判所に専門職後見人が報告書を提出

6.信託契約締結(資産を現金化し当面必要な資金以外を銀行に預ける。以降預金は家庭裁判所の許可無しではおろす事が不可

第3段階 親族後見人編

7.信託契約締結後専門後見人が辞任。親族後見人へ引き継ぎ

8.親族後見人の活動がスタート

後見制度支援信託のコスト

銀行への報酬

後見制度支援信託を利用する場合、銀行にも管理報酬が発生します。

信託を利用する銀行にもよりますが、10万~15万円程度が契約時報酬として、また月々の管理コストが2000円~5000程度必要になります。

基本的には被後見人が亡くなるまで月々の管理コストは必要になります。

専門職後見人への報酬

後見制度支援信託の場合は諸処の手続きが終われば親族にその役割を引き継ぐ事になります。

その手続きの期間は平均6ヶ月で報酬額15万~30万程度の場合が多いようです。

ただしこの金額に関しては被後見人の資産額等によって違いがあります。

後見制度支援信託のまとめ

正直言って家族側にあまりメリットがある信託ではないと思います。実際私は自ら進んで後見制度支援信託を利用したというお話を聞いた事がありません(そういうケースがある場合コメントを頂けると参考になります)

ただし、後見人に求められ宇条件というのは年々厳しくなっており、すんなり親族による後見人が認められるケースというのは少なく、後見人監査人を付けるor後見制度支援信託が利用。

これが親族が後見人を担当できる条件となる場合は多いようです。

使い込みや詐欺で1人も苦しまないために、数千人が面倒くさい思いをするというのはいかにも日本らしくて非効率だと感じる部分でもありますが、今後もこの流れは加速されていくと思います。




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