認知症はどんな病気




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この記事は筆者の7年に渡る認知症介護の経験を元に執筆しています。『あの時もっと正しい知識があば』『あの時気がついてあげられたら』介護を終えた今となっては色々と後悔する部分があります。
今はどうする事も出来ませんが、せめてこれから認知症介護をされる方をお役に立てれば自分の心が救われるような気がしてこの記事を書いています。

認知症の初期症状は加齢による物忘れに似ている

認知症というトレイの場所が解らなくなってしまう、夜徘徊してしまう。そんなイメージを持たれている方も少なくないかと思います。

たしかに病気の進行と共に、そういった症状は確実に現れてきますし、今の医学では認知症(アルツハイマー)の進行を抑えるという事は基本的に出来ません。

しかし、そういった症状がいきなり現れるのか?と言えばそんな事はありません。

実際に私が母に対して最初に覚えた違和感は、『最近もの忘れが多いなとか、買い物でストックがあるのに同じものを買ってくるなぁ』とかそのくらいの、ごく当たり前にある事からでした。

ただし、最初は些細な変化であっても、認知症の症状は確実に進んで行き、少しずつ出来ることが出来ないことへと変わっていきます。

何故気がついてあげられなかったのだろう。そういう後悔はいつになっても消える事はありません。

完治させる事は出来ない認知症ですが、早期に発見する事によってある程度進行のスピードを送らせる事が出来ます。また、病気による影響が少ない段階で発見する事によって、残り生活について本人としっかりと話あうことが出来ます。

ですから後悔しないためにも、出来るだけ早く病名を確定させて治療を開始する事が大切です。

認知症と老化による物忘れの差

物忘れ 認知症
原因 加齢による脳細胞の機能低下 脳細胞の死滅により脳が萎縮する
記憶 体験したことの一部を忘れる
(きっかけがあれば思い出せる)
体験した事実自体を忘れる
(完全に記憶が抜けている)
具体例 昨日朝食の内容が思い出せない 昨日朝食を食べたかどうか思い出せない
進行性 加齢要因で穏やかに進行 病気要因で進行
自覚症状 物忘れの自覚あり 物忘れの自覚なし
身体機能への影響 記憶力は低下 記憶力の低下とともに、判断力や時間間隔も低下
  • 車の鍵や財布を良く探すようになる
  • 約束の日時を忘れてしまう
  • 落ち着きがなくなり怒りっぽくなる
  • 計算に時間がかかる

一般的に加齢の症状と区別がつきにくいですが、振り返って見るとここ忘れた事に対しての頑固さのような物があったと個人的には感じます。

例えば、トイレットペーパーを何度も買ってくるというのが私が母に感じた最初の違和感だったのですが、それを指摘すると『さっきはなかった』『買ってないからない』等忘れてしまった事を認めないというの傾向がありました。

このような頑固さを伴った物忘れというのは認知症特有の症状と言えるでしょう。

家族を認知症だとは思いたくない。出来れば普通の物忘れてであってほしい。病名を確定させるのが怖い。私にはどこかでこういう感情があって、結果的に治療開始を遅らせてしまいました。

でも本当に大切な人の事を思うのであれば、早期に検査等をうけて貰う。どんな結果も受け止める勇気を持つそれがスタートです。

厚生労働省の調査によると65歳以上の3人に1人は認知症、又は予備軍という事です。難病でも珍しい病気でもありません。ですから早期に発見して進行を出来るだけ食い止めるという事が何より大切です。

認知症の診断方法

診断方法についてはMRIによる画像診断や血流の流れなど、数値や画像で診断出来るものから、テストなど情報を元に診断を下すものまであります。

ただし、初期では画像等に異常が見られず、症状も一見すると老化に伴う物と混同されてしまうケースも少なくありません。実際原因が分からずに沢山の病院に検査をしに行ったという人の話を聞くケースが何度かありました。

ですから、認知症を疑われる場合は出来るだけ、専門医のいる病院を受診されることをおすすめします。

また病院に行く前の段階で自宅でも簡単な認知症の判定を行うテストもあります(長谷川式認知症簡易評価スケール)

年齢にいくつ?今日の西暦は?等の質問で点数をつけて認知症のテストを自宅で行う事が出来ます。医療機関等でも行われており、家庭内で早期に認知症の可能性を確かめるには良いテストだと思います。

→長谷川式認知症スケールの詳細、テストはこちらから

認知症の症状の進行と介護の終わりについて

初めは物忘れ程度の軽い症状から始まり、症状の進行に合わせて、判断力が低下したり、数分前の事が思い出せなかったり、また鬱病的な症状も併発する場合も多くあります。

そして最終的には家族の存在さえ曖昧になってしまいます。また日常会話も出来なくなり、ここまでくるとほぼ寝たきりの状態となります。この状態になるともうそこから長くありません。

以前は発症してから亡くなるまでが5年程度と言われていましたが、現在では10年以上とのデータもあります。ただしあくまでもデータはデータです。

発症の年齢。症状の進行スピード。薬の効き具合等、ランダムな要素が数多くあり、平均のデータでは語れないのでこの病気です。

ちなみに私の母の場合は7年で、亡くなる前の2年は私のことを誰なのかはっきりと認識していなかったと思います。最後は誤飲性肺炎で亡くなりました。

正直言って最後の3年くらいは本当に地獄で、親も殺して自分も死のうと考えた事は1度や2度ではありません。

実際金銭的にも、身体的にもそしてなにより精神的につらい介護ですが、正しい知識を得ることよって少しはその負担が減ると思います。

先が見えない暗黙の中を漂うよりは暗闇を照らす光があった方がいい。そういう存在になれたと考えてこのブログを書いています。

次の記事は認知症の種類については、今回ざっくり認知症とひとまとめにしましたが認知症と言っても色々な種類があるのでそのお話です。




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