軽費老人ホームとは(A型B型、ケアハウス)介護者目線で分かり易く解説




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軽費老人ホームとは

軽費老人ホーム
施設区分
公的施設(介護保険施設)
入居期間
原則終身利用可能
医療体制
医療体制は基本的には無し
対象者
自立、要支援
地域規制
なし
認知症
基本非対応
費用/入所費用
0~30万
費用/月額
A型:介護保険サービスで1割or2割負担(込み込みで3万~4万/月)
B型:介護保険サービスで1割or2割負担(込み込みで6万~17万/月)
看取り
対応不可

軽費老人ホームとは名の通り、利用料が低価格で利用できる施設です。

しかし、重度の介護が必要な高齢者が対象ではなく、ほぼ自立した方が入居する施設で、以下のような方におすすめの施設となります。

  1. 普段の身の回りのことはできるが、独居が不安になって来た。
  2. 買い物に行くことや自炊ができない程度の機能低下で、食事の提供があれば生活できる。
  3. 家族による援助を受けることが困難。
  4. 経済的に高額な施設を申し込むことができない

家庭環境・家庭の事情や経済的な理由により、家族と同居ができない方が低額な料金で日常生活上の便宜を受けられるよう生活を支援する施設です。

さらに、軽費老人ホームには3つのタイプがあり自立度により、それぞれ入所対象が変わってきます。

また、それ以外にも軽費老人ホームには、都市型軽費老人ホームといい、東京23区や大阪市などの大都市部でも開設しやすいように、居室面積の基準を緩和して、入所定員20名以下で入所しやすいような取り組みも進んでいます。

『A型』『B型』『C型』の違いは?

軽費老人ホームには3つのタイプがあり、食事サービスの提供がある『A型』、自炊ができる方は『B型』、食事と生活支援がついた『C型』とに分かれます。

C型については『ケアハウス』ともいい、ケアハウスには『自立型』と『介護型』があり、どちらも低額料金で利用が可能です。

さらに都市部で急速に進む高齢化に対し、居室面積を狭くし利用料金を抑え低所得者を対象とした『都市型経費老人ホーム』の設置が始まっています。

入所できる条件は同様ですので、A型・B型・C型の違いは、食事付きかそうではないかだけとなります。

世帯収入や課税状況により差はあるものの、A型での費用はおおよそ6~17万円程度で、B型では3~4万円(食費は自費負担で別にかかります)、ケアハウスは自立型と介護型で料金に違いはありますが、6~20万程度の利用料金となります。

月額費用は安くて良いのですが、施設によっては入居時一時金が必要なこともありますので、事前に問い合わせを行うかパンフレットなどで確認をしておきましょう。

軽費老人ホームを考えた時に、「食事付き」か「自炊」のどちらかを選択できるとしましたら、普通は「楽なので、食事付き」を選ぼうとするかもしれません。

しかし、ある程度の年齢になると「面倒くさい」と言って楽な方を選択するとあっと言う間に、今まで出来ていたことができなくなります。

ですから、自分で食事を作れるレベルだったら「自炊」を選択した方が認知機能や、身体機能の低下が緩やかで、さまざまな機能低下の進行の予防につながるのです。

軽費老人ホームは「終の棲家」にはなりませんので、いつか必ず住み替える必要が出て来ます。

できるだけ最後まで「自立した生活をしたい」もしくは「自立した生活をして欲しい」をお考えの方は、自分で「できること」を最後のギリギリまでして頂くのが一番です。

私達介護する側は、「高齢者の能力を実は奪っているのだ」と自覚しなければなりません。

ついつい、「サービス料を頂いているのだから」とか「任せておくと時間がかかってしょうがない」とか言い、高齢者が自立している(能力)部分を奪っています。

「できない部分だけ」を手伝うという、意外と難しいサポートをしていく必要があるのです。

後は、高齢化し介護が必要な方が増えていきますので、C型であるケアハウスに1本化されていく予定です。

その理由としましては、自立した生活が送れるように環境的配慮がされており、車いすの使用が可能となっていることや、希望者には食事の提供もあり、老人ホームといっても在宅としての位置付けのため、要介護認定を受けますと介護保険サービスを利用でき、在宅生活を長く続けられるからです。

軽費老人ホーム入居の条件は?

60歳以上の方で、夫婦で利用する場合にはどちらか一方が60歳以上であることが条件で、日常生活においては自立レベル、所得が少ない方が対象となります。(ケアハウスには所得制限はありません)

入居条件は以下の通りです。

  1. 60歳以上の方(夫婦の場合は、どちらかが60歳以上)
  2. 身寄りがない、またはご家族との同居は困難な方
  3. 日常生活動作は自立レベル
  4. 所得制限あり(地方自治体により違いがあり、ケアハウスにおいては所得制限がない)

軽費老人ホームの1番の魅力としては、経済的負担が少なくて、外出の機会や地域住民との交流の場を奪われないことでしょう。

いくつになっても自由を奪われず、自分の意思で生活を成り立たせることができ、困った時だけ誰かに助けてもらえるのは、安心感がありとても良い施設といえるのではないでしょうか。

所得が少なければ少ないほど、優先的に入所できるというのも、魅力の一つです。

軽費老人ホームの介護・医療と居住環境は?

居室は基本個室となりますが、トイレや浴室など共有で使用するものが多く、集団生活が大前提とイメージする必要があります。

自炊型のB型は居室内にキッチンとトイレが完備されていますが、それ以外は共有する形です。

ただ、軽費老人ホームは現在減少していますので、特にB型はかなり探すことも入居することも難しいのが現状です。

人員配置については、以下の通りです。

A型

・施設長
・生活相談員
・栄養士
・調理員
・事務員 など

施設の規模により、人員数は違いますが、自立度が高い方が主に生活されていますから、医療職の配置義務はありません。

食事の提供と、日常生活上では見守りが中心となります。

B型

・施設長
・生活相談員
・事務員 など

施設の規模により、人員数に違いはありますが、自炊ができる方の施設なので、栄養士や調理員の配置義務はありません。

食事や排泄に対する介護は基本受けられなく、主に見守りや外出などといった生活援助が中心のサポートとなります。

ケアハウス自立型

・施設長
・生活相談員
・栄養士
・調理員
・事務員 など

食事の提供はありますが、基本的に自立している方を受け入れしていますので、機能的にはA型・B型と大きな違いはありません。

要介護状態となった場合も、介護度が重くなければ、居宅サービスを利用しながらの入所継続が可能です。

ケアハウス介護型

・施設長
・生活相談員
・栄養士
・調理員
・事務員
・看護職員
・機能訓練員
・介護員 など

食事の提供の他、介護サービスが必要になることが予測されますので、健康管理やリハビリなどを行う看護師(准看護師)や機能訓練員の配置が義務化されています。

要介護状態の方が入所できるケアハウスで、特定施設入居者生活介護の認定を受けていますので、外部サービスの他にケアハウス内の職員による介護を受けることができます。

軽費老人ホームで受けられるサービスとは?


基本原則、自立している高齢者が入所する施設ですので、多くのサービスを期待してはいけません。

生活に関わる相談や、緊急時の対応などは可能ですが、身体介護や認知症ケアについては、行わないため、それが必要になれば、然るべき施設に移る必要があります。

ただし、介護型ケアハウスであれば、身体介護などを受けることができますし、必要であれば、外部サービスを使うことも可能です。

軽費老人ホームのメリットは?どんな人に入居をおすすめ?

日常生活自立度が高く、認知症がない方におすすめです。

利用料金も安く、助成制度もありますので、経済的に余裕のない方は、条件が合えば、入所申し込みをするのが良いでしょう。

  1. 低価格である
  2. 外出など自由にできる
  3. 困った時には相談や緊急時には対応をしてもらえる
  4. 要介護状態となった時には介護サービスを受けることができる(ケアハウスの場合)

ご近所付き合いが好きな方や、誰かとお話をしたり交流が得意な方には、絶好のコミュニケーションの場となります。

また軽費老人ホームは、地域交流にも力を入れており、外出の機会やイベントの開催など、楽しみが増えるという声をよく聞きます。

軽費老人ホームのメリットのデメリットは?おすすめしないケースは?

  1. 居住面積が狭い
  2. 人との交流が多く、プライバシーが守られない
  3. なかなか入所できない
  4. 要介護状態や認知症発症した場合には退居しなければならない

認知症高齢者の対応は行えないため「物忘れが最近多い」「迷子になる」「昼夜逆転している」などの徴候がみられた場合には、最初から選択肢に入れない方が良いです。

プライバシー保護の観点からいいますと、職員の見守り以上に、自立度の高い「お節介な世話好き」な方に見張られる危険性があります。

いくら個室といっても、共有スペースが多く、居室から出るとすぐに誰かが居る環境ですから、人との関わりが好みでない人には不向きです。

低所得者である生活保護者は入居しやすいのか?

生活保護受給者も軽費老人ホームを申し込むことはできますが、必ず入居できるという保証はありません。

生活保護費の中の住宅扶助費よりも、施設利用料の中の居住費の方が高ければ、保護課より「もう少し家賃(居住費)が安い所にして下さい」と連絡が入ります。

保護課から認めてもらえなければ、当然入所はできません。

また、身体機能が自立していても、共同生活が困難な生活態度や行動を起こし、周囲に迷惑をかける場合にも入所をお断りされることがあります。

入居検討者に対してアドバイス

軽費老人ホームは医療法人や社会福祉法人が運営していることが多く、公的な要素が強い施設です。

ですから、民間企業が運営している施設と比べると色々な縛りがあり、柔軟な対応が難しいという施設もあります。

入所を決める前に、施設の特徴や料金などキチンと調べ、見学を行うなどして自分の目でみて納得して頂きたいと考えます。

軽費老人ホームはケアハウスへ1本化していきますので、新しい施設はなくとくにA型・B型はかなり古く老朽化もしています。

働いている職員も、もしかすると「古き良き時代」を生きて来た方々かもしれません。

今の介護保険制度にはついて行けず、古い知識のままでケアを提供している可能性もありますので、生活相談員からの説明だけでは満足せず、施設の造りや職員の動き、入所している方々の姿をしっかりと観察して来て下さい。

まとめ

軽費老人ホームとは、食事付き(A型)か自炊(B型)かの違いで分けられているということと、ケアハウスは自立型と介護型に分かれており、自立型はA型・B型と大差はなく、介護型のみ、手厚いケアが受けられるという結論です。


料金が低額で、所得の少ない方にはうれしい施設となりますが、自立もしくは見守り程度で生活ができる方が限定であり、施設の数も減少しているため、なかなか入所できません。

これから、施設を視野に入れて検討中の方は、施設の役割や機能の違いを覚えることも大変かとは思いますが、入所後に後悔しないためにも、知識を入れて勉強しておく必要があります。

具体的には以下の施設についても頭に入れておいた方が良いでしょう。

・特別養護老人ホーム(介護度が重いが、医療度が低い方対象で、終の棲家となる)
・介護老人保健施設(介護度が無いと入所できなく、リハビリがメインで医療的管理も行われるが、終の棲家にはならない)
・長期療養型医療施設(積極的な治療終了後、病状が安定した状態で長く入院加療ができる)
・グループホーム(認知症と診断された方々が、役割を獲得しながら共同生活を送る)
・サービス付き高齢者向け住宅




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