【成年後見人制度】候補人を親族で申請しても、選ばれない場合の理由と対策




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親族による後見人の比率は年々下がって来ています。

しかし、大切な親族の後見人はやはり他人には任せたくない。コストの問題から親族で後見人を担当したい等々。様々な理由から親族による後見人を希望される方もいらっしゃると思います。

ただし現実として、親族による不正使い込みの問題等で親族が後見人に選ばれないケースというのも少なからず存在しています。

注意点

候補者が確実に選ばれるという認識の方もいると思いますが、最終決定権はあくまでも家庭裁判所にあるため、後見人に相応しく無いと判断された場合には、裁判所によって後見人が選ばれます

成年後見人等による不正報告件数2011年~2015年度

成年後見人等と本人の関係別件数

そこで今回は成年後見人を家族が希望したにも関わらず、選ばれない場合の理由とその対策について解説していきたいと思います。

後見人に家族が選ばれない場合の理由

裁判所が候補人を後見人として指名しないケースについては以下のように発表されています。

被後見人が原因で親族後見人が選ばれないケース。

親族後見人が原因で選ばれないケースの二通りがありますので、別けて解説していきます。

候補人(後見人側が理由のケース)
1.家族の間で意見の対立が存在する場合

2.後見人等候補者と本人との間に高額な貸借や立替金があり,その清算について本人の利益を特に保護する必要がある場合

3.親族でありながら本人との関係が希薄であった場合

4.後見人候補者の収入が安定していない場合

5.後見人候補者と後見人の生活費等が十分に隔離されていない場合

6.後見人として適正な事務行為遂行が困難と判断される場合(財産目録、収支報告書等申請に必要な書類作成の記載が十分でない場合)

7.後見人候補所が、自己、又は親族のために被後見人の財産を利用する恐れがある場合

8.後見人等候補者が本人の財産の運用(投資)を目的として申し立てている場合

9.後見人候補者が、病気、多忙等で業務が難しい事が判断される場合

被後見人側が理由のケース
10.流動資産額大きい場合(2000万円が目安、不動産等の金額が動く資産)

11.不動産の売却や生命保険金の受取等、成年後見制度利用の理由が重大な法律行為である場合

12.遺産分割協議など後見人等と本人との間で利益相反する行為について後見監督人等に本人の代理をしてもらう必要がある場合

13.本人の所有する財産の大きな変動が見込まれ、定期的に収入情況を確認する必要がある場合(賃貸収入など)

14.本人が控訴、調停、債務整理とう法的な手続きが必要な場合

15.本人の財産状況が不明確であり、把握に専門的な調査を必要とする場合

管理人
上記のような理由があるからと言って確実に親族による候補人が否定される訳ではありませんが、かなり厳しくはなると思います。

裁判所対策

上記では親族による後見人が厳しくなるケースについて解説しました。

かなり条件が厳しく、親族後見人を諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、後見監督人制度、成年後見制度支援信託を利用する事によって親族後見人が選任される場合もありますので、そのふたつについて解説します。

後見監督人を選任

後見人同様自ら選任するわけではなく、裁判所側で選任するため、対策と言っていいのかは正直微妙な所ではあります。

ただし、専門職の後見監督人が親族後見人のサポートをする事によって不正や事務不備が起こらない情況を作る事ができるため、上記のような理由があったとしても親族が後見人を担当出来る可能性があります。

コストを問題としている場合、この方法でも後見監督人に報酬を支払うため、解決策にはなりませんが、大切な家族の後見人を親族で担当したいという場合には頭入れておいた方が良いです。

上記のような問題があっても可能性があります。

成年後見制度支援信託

成年後見人を家族が担当出来ない場合として先ほど以下の理由を上げました(本人理由)

10.流動資産額大きい場合(2000万円が目安、不動産等の金額が動く資産)
11.不動産の売却や生命保険金の受取等、成年後見制度利用の理由が重大な法律行為である場合
13.本人の所有する財産の大きな変動が見込まれ、定期的に収入情況を確認する必要がある場合(賃貸収入など)

このように本人の資産に絡んでの業務が多い、又は複雑な場合は基本的には親族による後見人というのは難しくなります。

そこでその問題を解決するために平成24年(2012)にスタートしたのが成年後見制度支援信託です。

ざっくり解説すると以下のよう制度になります。

成年後見制度支援信託の概要

1.一旦専門後見人を付け、不動産の売却・相続等の難しい後見事務を片付けてしまいます。

2.その上でその試算を信託銀行に信託そ流動資産を固定資産に変更。

3.資産の問題が解決した所で専門後見人は親族後見人に後見業務を引き継ぎ辞任

すこし手間は掛かりますが、この場合流動資産の問題は勿論の事、資産使い込み等のリスクも減らす事が出来ますの親族が後見人として選任される可能性が格段に上がります。

まとめ【成年後見人制度】候補人を親族で申請しても、選ばれない場合の理由と対策

私の場合は特に、後見人に対してのこだわりもなかったため、司法書士さんに後見人をお願いしましたが、大切な人の後見人は親族で担当したいという方は少なくないと思います。

それでも、年々後見人に求められる条件というのは厳しくなっており、家族による候補人が難しい情況というのも増えてきています。

ただし上記で解説したように、後見人を親族で担当する上での問題を解説する方法というのも少なからず存在します。

ですので、親族による後見人を希望する方は専門家に1度相談して対策を立てる事をおすすめします。

上記のような問題が無かったとして、申し込み段階の書類作成等のミスで後見人に事務作業能力が無いと判断されたりした本当につまらないので、そのあたりは慎重に行いましょう。




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