グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?介護者目線で分かり易く解説。




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『認知症と診断されたなら特別養護老人ホームよりもグループホームの方がおすすめ』

皆さん、こんなお話を聞いた事はありませんか?

とはいえ、そもそもグループホームが何故認知症患者の入居施設としておすすめなのか?どんな人が入居出来るのか?費用はいくらなのか?

詳しい事については、しっかり説明を受けた方は少ないと思います。

そこで、今回グループホームという言葉はなんと無く知ってはいるものの、施設の詳細については詳しく知らない方の為に、現在グループホームで介護士として働かれている方に解説して貰いました。

グループホームとは

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
施設区分
公的施設(介護保険施設)
入居期間
看取りも可能だが、症状が悪化した場合現実的には退去
医療体制
夜勤等の常駐体制は無し、医療負担が大きい場合入所が不可
対象者
要支援2以上~要介護5まで
地域規制
住民表のある地域
認知症
認知症の診断が無ければ入居不可
費用/入所費用
特に無し
費用/入所費用
100万円前後/施設によって違います。敷金のようなイメージ
費用/月額
介護保険サービスで1割or2割負担(込み込みで15万~30万/月)
看取り
対応している施設もあるが、実質的には厳しい
人員体制
3対1。要介護者3人に対して職員1名
居室
多床、個室

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症と診断された高齢者であっても、家庭に近い環境で共同生活をおくりながら、自分らしさや役割の獲得ができることで、認知症の改善や認知機能の維持を目指す共同生活住居のことをいいます。

グループホームでは、「あれもできなくなった・これもできなくなった」ではなく、「まだ、〇〇ができる」「こんなことができた」を大事に、認知症高齢者の持っている力をできる限り最後まで使えるように、生活をサポートしていく施設です。

食事を作ったり、買い物や掃除などの家事はできる限り介護スタッフと一緒に行い、一般の家庭と同じような構造で生活を送りますので、生活行動障害(問題行動:徘徊等)が落ち着く方も多くいらっしゃいます。

グループホーム入居の条件は?

以下の3つの条件をクリアしていることが、入居の条件となります。

入居条件
要介護度
要支援2もしくは要介護度1以上の認定を受けていること
年齢
基本的には65歳以上
状態
認知症と診断されている方(診断書や診療情報提供書が必要)
その他
施設のある自治体に住民票があること。

要支援2の方が入居できる施設は、介護予防の届け出を提出していることが条件となりますので、必ず入れるとは限りません。

また、65歳未満でも「初老期認知症」や「若年性認知症」の診断があれば入所可能となります。

そして「住み慣れた地域で」過ごすことが認知症高齢者の安心感につながるというコンセプトの元に作られた施設なので、住民票が必要となります。

ただし、以上の3つの条件をクリアしていても、入居できない場合もありますので、以下に述べておきます。

  1. 自傷他傷行為や暴力行為がある方
  2. 共同生活ができない方
  3. 医療度が高く、医療処置が多い方

上記のような場合は条件を満たしていてもグループホームに入居出来ない可能性が高いので注意が必要です。

グループホームの費用

グループホームの費用については、どこに住んでいても家賃や食費・光熱費などはかかってきますし、介護保険の1割自己負担の他に、おむつ代や日用品等の雑費が加算される他に、初期費用として「入居一時金」や「保証金」などが必要となる施設もありますので、事前にキチンと確認しておく必要があります。

基本的には、介護保険サービス料+食費+雑費(日用品等)がグループホームの費用になりますので各項目について解説します。

介護保険サービス料

要介護度と費用
要支援1
22,650円
要介護度1
22,770円
要介護度2
23,850円
要介護度3
24,540円
要介護度4
25,050円
要介護度5
25,560円

食費

1日あたり1000円前後です。介護保険外のサービスですので、全額自己負担になります。

また施設ごとに食事内容や料金は異なるため、各施設で特色が出る部分です。

雑費

あとは日常生活に必要なものやおむつ代金等が必要になって来ます。

グループホームの費用についてのまとめ

各施設で費用を決められる部分があるので(食費など)一律に〇〇円というようなシステムではありませんが、大体月あたり15万円~25万円くらいの間に収まる人が多いようです。

田舎の地域よりも都市部の方が、マンションやアパートの賃貸料金が高いというように、グループホームも都市部が高いのは同じです。

また、収入が多い世帯の方は、介護保険サービス料が1割負担ではなく、2割負担となっていますので、入居後の請求を見て驚くのではなく、大事な部分ですので事前に確認しておきましょう。

グループホームの介護・医療と居住環境は?

人員
責任者
専従の常勤1名必須(認知症のケアを業務3年以上)
介護スタッフ
24時間常駐。3名の利用者に付き1人以上(夜間は人数に関係なく1名以上)
医療スタッフ
配置義務無し
設備、住環境
場所
地域住民等との交流が確保出来る地域。
定員
・1ユニットあたりの定員は5人以上9人以下
・事業所全体で最低4人以上
・共同生活住居一カ所あたりの定員は2人以上10人以下(※)
※既存建物を利用する場合には2人以上20人以下
居室
・1居室の定員は基本1人
・面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上
共有設備
・居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること
・台所、トイレ、洗面、浴室は10名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置

グループホームは、住み慣れた地域で認知症を持ちながらも、誰かに見守ってもらったり、ちょっとお手伝いをしてもらうことで、まだまだ地域で生活が送れる方々が住む場所です。

ですから、医師や看護師の配置義務はありません。

ただし、高齢化が進み、さまざまな病気を併発している方が増えているのは事実であるため、施設によっては看護師を配置している施設もあります。

また、グループホーム単体の施設ではなく、病院や社会福祉法人が母体でグループ化している施設もたくさんありますので、医療や看護が必要になった方は然るべき施設に速やかに移れるというところもあります。

ですから、医療依存度がある程度高い場合でも対応して貰える施設もあります。

1ユニットに入居できる高齢者は5~9人と決まっており、高齢者3名に対し、介護スタッフは必ず1名以上配置するようにも義務付けられ、夜間も介護スタッフがいますので、安心です。

設備等については、個室(居室)・食堂・浴室・トイレ・キッチン・リビング・事務所などがあり、定員も2ユニットまでと決まりがあるため、18人以下の少人数で生活を送るということになります。

そして、グループホームが立地している場所は、住宅地などで地域住民との交流の機会が確保できる地域で、病院や入所型施設の敷地外にあることが条件とされています。

高齢者が利用する個室(居室)は、約4.5畳以上となっていますので、私物を置くスペースもあり、慣れ親しんだものを置くことも可能で、仏壇などを個室においている人もいたりします(笑)

グループホームのメリットは?どんな人に入居をおすすめ?

  1. 家事が好きな人や家庭的な雰囲気が好きな人
  2. 大勢の人が苦手な人
  3. 病院や大きな施設だと落ち着かなくなる人
  4. 認知症高齢者に詳しいスタッフを希望する人

団塊の世代よりも若い方々の時代になると、少し雰囲気は違ってくるかもしれませんが、今グループホームを必要としている世代の方々は、グループホームに入所すると認知症の症状を軽減できるかもしれません。


それはなぜかと申しますと、長屋の井戸端会議で育って来た時代であるため、コミュニケーション能力が非常に高い方が多く「お話好き」「世話好き」「人好き」な方は、グループホームに入所すると、眼を疑うほど元気になられる場合があります。

その理由の一つに「役割の獲得」という大事なキーワードが含まれています。

人は誰でも「何(誰)かの、役に立ちたい」と願っているのです。

ですから、調理をしたり、掃除をしたり、後片付けをし「ありがとう」や「助かりました」という一言で、「自分の価値」や「存在する意味」を見出すことができます。

認知症高齢者は、認知症発症した時に「あれ、何かおかしい」「私は普通じゃない」と感じており、変化していく自分に対し「情けない」「みっともない」「もうこんな状態なら生きている価値がない」と思っています。

ただ、その気持ちを上手く表現できないだけで、いつも苦しみ、喪失感の中に生きています。

でも、グループホームに入所すると、家族のように一緒にいるスタッフや同居人に「ありがとう」の言葉をかけられ、頼りにされる毎日がやってくるのです。

普通に考えて元気になってくるのが当たり前だと思いませんか?

病院や他の施設では、衛生面などから食事の準備や調理・後片付けをさせてはもらえませんので、「役割を獲得する」という大事な部分を尊重できません。

認知症のケアという意味では公的機関の中では一番進んでいるのがグループホームです。

グループホームのデメリットは?おすすめしないケースは?

  1. 暴力や暴言がある方
  2. 医療依存度や医療行為が多い方
  3. すぐにどこかに入居したい方(入居を急いでいる方)

少人数での集団生活で介護スタッフも高齢者同士の距離感もかなり近いので、暴言暴力などがあると、他の高齢者の身体及び精神状態にも影響を与えてしまいます。


また、他の高齢者の方が、恐怖心からせん妄や混乱を引き起こしたりすることも多々ありますので、暴言暴力がある方は、残念ですが、まずグループホームは入居できないと思っていた方が良いです。

もし、入居申し込みした時には暴言暴力が無かったとしても、入居後にそのような症状が出現した場合には退居を強いられると覚悟をしておいて下さい。

医療依存度が高い方でも、ご家族が付き添いで受診介助を行っているうちは良いのですが、医療行為が多くなった場合や、病院から「施設で管理をして下さい」とお願いされることがあります。

こうなると、介護スタッフだけでは判断ができなかったリ、家族が対応できない状況であれば、介護スタッフが頻繁に病院受診や救急搬送を行うことになりますので、施設側から「もう対応ができません」と言われるでしょう。

そして、他の施設と比べると「手厚い介護」とうたっていることから人気もあり、入居定員も18人以下という縛りがあるため、申し込みを行ってもすぐに入居できない場合がありますので、急いでどこかの施設に入居させたいと思っている方は、他の施設をまず選択した方が良いです。

グループホームの入所難易度は?

サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどの乱立により、グループホームが導入された頃と比べると入居しやすくなりました。

しかし、入りやすいか?となりますと、地域などによっては待機期間が長い施設もあるようですが、私が知る限りでは「何年も待った」という話は聞いたことがありません。

ですから、特別養護老人ホーム等に比べると入居難易度が低い施設と言えるでしょう。

ただし、注意してほしい点として、認知症は必ず進行します。

認知症の初期~中期までの移行期がとても大変で、最期までグループホームにいられた方はあまり知りません。

認知症が重度となりますと、性格変貌があったり、徘徊していた時には想像ができないくらい、静かで穏やかになり仏様のようになりますが、動けなくなり食べれなくなることが多いので、グループホームでは対応が困難となります。

もちろん、最期までグループホームでのんびりと生活ができたという方もいらっしゃると思いますが、「PPK:ぴんぴんころり」でもない限り、最期は他の施設か病院です。

ですから、グループホームの入居定員は少ないというだけで、退居される方は必ずいますし、認知症のレベルやタイミングによりすぐ順番が来る場合もあります。

入居検討者に対してアドバイス

一言で認知症と言っても、元々の性格や生活環境等により、グループホームが良いのか、認知症専門棟がある老人保健施設や病院が良いのかと、担当者の方は悩むのではないかと思われます。

徘徊があって、何度も警察にお世話になったことがある方は、その徘徊の理由や原因をキチンと理解した上で、どのような施設にするのかと検討した方が良いです。

例えば、徘徊の理由が「仕事に行く」ということであれば、グループホーム内で本人の「仕事」があれば、徘徊が修まりますが、「実家に帰る」が理由ですと、幼い頃の実家に帰ろうとするので、例え実家に連れて行ったとしても近隣の雰囲気が変わってしまっていれば、「ここは違う」といい、また徘徊が始まってしまいます。

こうなると、「実家」にたどり着くまで歩き続けようとしますし、施錠のできないグループホームでの管理は難しくなります。

入居申し込み時には、どのような症状で困って苦しんでいるのか担当者にキチンと伝えましょう。

そして、一つ覚えていて欲しい大事なことがあります。

それは、施設を申し込む際に施設担当者が、ご家族の要望に何でも「イエスマン」なのは気をつけて下さい。

あとで、トラブルの元になります。

施設側も万全ではありませんし、経営母体や経営者によって「得手不得手」がありますので、「当施設ではその部分は、申し訳ありませんが、でき兼ねます」とハッキリ言う位の施設がちょうど良いです。

何でも「できます」と返答されると、ご家族や申し込みを行う方は過剰な期待もしてしまいますし、法的にマズイことを要求してしまうこともありますので、施設側の言い分と申し込みを行う側の要求が合致している施設を選ぶようにしましょう。

グループホームを選択する上でのポイントとは?

良い施設を選択するポイントとしては必ず、「目で見て」「聞いて」確認をしましょう。

パンフレットだけでは、施設の雰囲気(空気)や様子がつかめません。

見て・聞いて確認するのが1番ですが、グループホームを選択する上でのポイントを以下にまとめてみましたので、参考にして下さい。

  1. 施設の中が臭くないか(排泄ケアがキチンとされているかの目安となる)
  2. 物が整理されているか(環境整備は認知症高齢者の異食の予防につながる)
  3. 入居者の顔や歯はきれいか(キチンとケアが行われているのか確認できる)
  4. 入居者の表情は良いか(認知症の方は体調などが悪ければ笑わない)
  5. 相談員や担当者は親切か?
  6. 介護スタッフの言葉遣いはちゃんとしているか?

以上のことを、施設サービスや設備などの他に確認しておいて下さい。

そうすることで、「施設に見学に行ったけど・・・」と悩まなくてすみます。

申し込みをするにしても、しないにしても理由が明確になり、スッキリしますよ。

例えば「施設が全然臭いがしなかったから大丈夫と思った」ですとか「施設が尿や便臭がしたので、ダメだと思った」などとなる訳です。

まとめ

グループホームは、正直施設の中でどのようなケアが行われているのか、頻繁に面会にでも行かないと分かりません。

いくら、良い説明をされたとしても、「認知症高齢者が」「自分の父(母)が」幸せに暮らせるかは、入居してみないと分からないのです。

少人数の介護スタッフに、少人数の入居者との生活になりますから、相性が合わなければ悲惨な時間を過ごすことになります。

ですから、実際に入居してみて、ダメだったら「サッサと退居する」位の覚悟で申し込むのが良いと考えます。

住民票を移して3か月すれば、他の地域でもグループホームを申し込むこともできますので、あまり深刻にならずに、認知症高齢者の残されたわずかな時間を幸せに過ごせることを考えてみましょう。

そうすると気持ちが楽になりますよ。




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