認知症ドライバーの運転と交通事故の不起訴処分について。




Pocket

皆さんもうニュースでご存じかとは思いますが、2016年10月、認知症患者が6歳の男の子を車で轢き殺してしまった事件。この事で、自動車運転死傷処罰法違反の容儀で送検されていた男性が不起訴となりました。

つまりは無罪です。アルツハイマー型認知症で判断能力が無くなってしまっているため責任が問えないという理由からこのような判決になりました。

被害者の家族がこの判決に納得いかない事は勿論ですが、世間的にはこの判決について理解を得られておらず『起訴して、牢屋に入れろ』という意見が大半かと思います。

しかし、認知症の家族を介護していた私の立場から言わせて貰うと、認知症患者に責任を追及したとしてもなんの解決にもなりません。勿論加害者が有罪になる事よって被害者側の心が少しは楽になるという側面はあるかも知れませんが、だからと言ってそれで事故が減る事は無いでしょう。

なぜなら認知症患者は運転したら危ないとか、自分が誰かをひき殺してしまう危険があるとかそういう所に感情は廻りません。そして起訴されて牢屋に入ったとしても自分のしてしまった罪を反省する事は出来ないでしょう。ですから、私から見れば責任能力を問えないから不起訴。つまり無罪という結論は十分に理解出来るものです。

ただし。だからと言ってこの事件の結論に問題が無いなんて1ミクロンも思いませんし、今回のような事件を少しでも減らすため色々と変えて行く必要があると思います。

そこで今回は自分なりに認知症ドライバーの運転について考えて見ました。

法律で出来ること、国が出来ること

まず国が出来ること。何もしていないと感じる方が多いと思いますが、国も高齢者ドライバーの起こす事故に対しての対策はしています。

2015年6月、道交法改正が成立。75歳以上の認知症対策強化へ
・75歳以上の場合、3年に1度の免許更新時に、認知機能の検査を実施

・「認知症の疑いあり」と判断された人全員に医師の診断義務が発生

・発症していたら免許を停止または取り消し

このように高齢者ドライバーを対象として道路交通法を改正しています。ただし現実問題として、75歳以下でも認知症になる方は沢山いて、その方々がしかりと検査を行っているわけではありません。

そして3年に1度という検査では症状の進行に対応出来ないケースも少なくありません。

ですから、50歳、60歳の段階で免許更新に認知症の検査を導入して行く必要があるでしょう。これは高齢者の事故予防だけではなく、認知症の早期発見にも繋がります。

また積極的に自動運転等が導入出来るような法改正も行って行くべきです。高齢者が免許を手放しても生活が成り立つような仕組みが必要です。

認知症患者の家族が出来ること

とはいえ国が出来ることには限界がありますし、どうしても時間がかかります。

ですから今1番高齢者、認知症の方の事故を減らせるのは家族です。冒頭の画像の通り、本人の運転能力と安全へ対する認識は一致しません。

まだ運転出来ると本人は言うと思います。それでも少しでも危ないと思ったらハンドルを奪う勇気が必要です。可愛そうだと思う瞬間があるかもしれませんが、結果的にそれが本人のためでもあります。

まとめ

今回の事件は本当に痛ましい事件です。加害者に対して責任を追及する事ができな遺族の気持ちを考えると本当に胸が痛くなります。

また今後この事件については刑事から民事に移行して、そこで賠償等で争う事になると思います。

被害者は6歳児ともなると賠償は億を超えてくるでしょう。その負担は認知症患者の家族へのしかかります。

保険があるからお金の心配は無いと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ほとんどの保険会社で心身喪失者の事故を免責としています。被害者救済という観点から基本的には被害者への賠償は保険会社がしてくれるようですがもしそれがされない場合には、億の賠償が家族に降り注ぐ場合もあるのです。

こういうケースでは自己破産を余儀なくされる事もあるでしょう。そうなれば被害者に対してもさらなる苦痛を与える事になります。

認知症患者の起こす事故というのは本当にそれだけ悲惨な事なのです。

ですから今家族に認知症が疑われる方がいる場合にはこれを機会に色々と見直す必要があるのではないでしょうか。今回のような悲惨な事件を無くして行く為に1番大切なのは家族の判断だと私は思います。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です